【解説】エボナイトはプラスチックじゃない!?一体どんな素材なのか?

万年筆で使われるエボナイトってどんな素材なんでしょうか?

万年筆のほかには、管楽器のマウスピースくらいでしか使われておらず、どのような素材なのか気になりますよね?

プラスチックみたいな感じだけど、なんかちょっと違う。

一体どのようなものなのか、簡単にご紹介します。

エボナイトとは?

エボナイトは天然ゴムに硫黄を混ぜて固めた素材。天然素材からできているため、あくまでもゴム(天然樹脂)の一種であり、プラスチック(合成樹脂)ではありません。

丈夫で耐候性・耐酸性・耐アルカリ性に優れており、金属よりも丈夫といわれます。昔はよく使われていましたが、現在は万年筆や楽器のマウスピースなど、一部のものにしか使われていません。

何に使われるの?

エボナイトはおもに、

  • 万年筆の軸
  • 管楽器のマウスピース
  • 実験でつかうエボナイト

の材料に使われます。耐久性・耐候性・耐酸性・耐アルカリ性の高さが求められる製品ですね。

しかし、なんでこれっぽちの製品にしか使われていないのでしょうか?

変色しやすいから?

エボナイトが変色してしまうのは材料に原因があります。

紹介したとおり、エボナイトは天然ゴムに硫黄を混ぜてつくられたものですが、実は、硫黄にその原因があるのです!

ゴム製品や水(塩素)、汗、紫外線などの影響により、硫黄が硫化して変色を起こしてしまうのです。

また、エボナイトから放出される遊離硫黄が、金属の表面を硫化して変色させます。とくに、ケースの中などの密閉された空間だと起こりやすいです。万年筆の世界では「エボやけ」と言われる現象。金色のペン先が変色します。

しかし、色が変わるだけで形質は変わらないので、あまり気にしなくても良いと思います。